おっさんには妄想力が足りてない

思い返してみれば、子供のころは毎日ウヒウヒ楽しかったなあ、って思いません？えっ思わない？あっ…そうか、お前そういえば子供のころ、巨石を丸太で転がす奴隷として親にバーチャルボーイと引き換えに売られたんだっけ…ごめん。辛い過去を思い出させちゃって。でもお前以外は全員子供のころは毎日ウヒウヒ楽しかったんですよ。お前以外の全員は。お前ただ一人を除いて。

で、なんで子供の頃って楽しかったのかなって思うんですけど、体が小さいから血の巡りが良くてドーパミンどくどくだったとか、経験することが全て新鮮でわくわくするとか、神社裏のガビガビのエロ本みてドキドキだったとか、いろんな理由があると思うんですけどね。王墓を建設するために巨石と丸太とカビたパンしか見たことない奴隷の貴様にはわからないかもしれませんが、子供がなんであんなに楽しそうかというと、イメージする力、妄想力っていうのが関係してると思うんですよ。

子供の頃、太めの棒切れを拾うと、『エクスカリバーじゃーい！』って友達に切りかかったり、ガラス玉を見つけると『これが伝説の勇者の証…！？』とかいって校長の後頭部を叩き割ったり、いつもいろんな妄想して遊んでたじゃないですか。間違いなくあの瞬間、棒切れは輝くピカピカの剣だったし、ガラス玉はこの世に2つとない伝説の宝石だったと思うんですよ。今、おっさんの身になるとそれらはどうみてもゴミで1円だって要らないものですが、クソガキの頃には命に代えても惜しくない、当時嫌いだったこうじくんのたまきんなら10玉捧げても釣りがくるほどの価値があったんですよね。いやほんとふざけんなマジでキン消しかえせよくそが

でもよく考えると、我々おっさんだって妄想というか幻想というかイメージの世界に生きているわけですよ。エルメス？ヴィトン？あんな高いバッグや服があるのはなぜか？人格がうんこなのにコンサルタントという肩書だけで立派で偉そうに見えるのはなぜか？スーパー写真塾という言葉にエロさは全く無いのにドキドキしちゃうのは何故なのか？それは我々の脳みそがものの本質を物質そのものではなくイメージとしてしかとらえることができないからだと思うのです。

コップを見て、それがケイ酸塩を高熱で加工した円筒状の物体、として認識する人はいないわけですよ。誰もがそれは飲み物を注ぐ器、コップとしてのイメージとしてとらえるんですよね。つまり我々も万物をそのものとしてではなく、自分なりのイメージとして、悪い表現で言うと歪んだ捉え方をしているわけです。そういう意味では、棒切れをエクスカリバーとして切りかかるクソガキと、おっさんがプリントされた紙をマネーとして有難がる俺らおっさんとは全く同じだとおもうのです。

つまり、子供が世界をわくわくした煌びやかなものだと捉え、毎日を楽しく過ごしているのは子供だからじゃないのです。我々おっさんもまったく同じ幻想の世界でしか生きられないのに、その幻想が長い怠惰な人生の中で平凡でつまらないものになっているだけなんですよ。そう。たとえ何兆円もとうがあなた自身がつまらなければ、いつまでたっても何をしようと、そこはゲロカスゴーストタウンなのです。逆に言えば、1文無しで股間にブラックゼウス1枚だけの貧乏クソ虫だったとしても、豊かなイメージを膨らますことができれば、世界で一番幸福な全裸で股間にスーパーゼウス一枚の貧乏カス野郎なのです。ん？あれ？なんか間違えた？

そう、おっさんだから妄想力、イメージする力が弱まっているんじゃないんです。いまだってイメージ、妄想だらけの世界に生きているのに、それが常識とか世間様とか世論とか呼ばれる他人のモノサシによる価値観でつまらなくなっているだけなんすよ！イメージしましょう！つよく妄想すればもっと楽しく生きれるはず、ウヒウハ我々おっさんも子供のように輝けるはずなんですよ！

ほら！そこに落ちてる棒切れを持て！

それがエクスカリバーなんだぜ！！

そして福沢諭吉が書いてあるのつまらん汚れきった紙を捨てろ！

いいから捨てろ！！

いやそっちのゴミ箱じゃなくて！！

こっち！！俺のほうに捨てろ！！！