いつも爪が死んでいる

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。ランニングの話が多いです。

情熱(脱水)と冷静(低体温)の間

こんにちわ。今年も出てきました日本山岳耐久レースことハセツネ。71.5Km、累積標高4500mの奥武蔵の山々を夜通し駆け抜けるというこのレース、トレイルランニング界では日本最古に近い歴史と、何より長谷川恒雄の登山精神を受け継いで途中の水1.5リットル以外無補給というキツさが有名です。私自身2年前に初めて出た長めのレースということもあり、当時はよくわかっていませんでしたが普通のレースはでは少なくとも20Km置きには何らか食い物とか出るので、しみじみこの無補給というのはきついっす。

 

2年前の2022年は豪雨で1歩上ると3歩下がるような状態で、他のレースを知らないことが逆に功を奏し「トレランってこんなにきついのか!(ハセツネだけ)」と驚きつつも20時間で完走。2023年は雨が降りましたが「ストックもあるし、去年に比べれば全然マシ」と成長を感じながら18時間で完走。そして今年は15時間50分と、毎年2時間ずつタイムを縮めるという快挙を成し遂げました。なので来年2025年のタイムは14時間台ですし、その7回後の2032年にはスタートと同時にゴールします。2033年にはスタートの2時間前にゴールするという時間と次元を超越した存在になるのです…

 

しかし体感的には「あれに気をつければ後1時間は早くいけたな」と思ってしまう自分もおり。ランニング界隈ではよくこういうレース参加振り返りブログを残す人も多いのですが、これって自己顕示欲でやってんのかな、と穿った目で見ていたのですが、自分で今後のレースに活かすために忘れないためなのだなあと今気づきました。だって忘れるもんすぐに。ランニングおじさんたちは足の筋肉と引き換えに海馬と脳細胞を失っていくんですね。そんな未来の自分のために記す、ハセツネ2024振り返りです。みんな読まなくていい。未来の俺さえ観ればいい。そう、これは俺の海馬ログ。

 

🔳これが良かった!ハセツネ2024

 

・月間走行距離

 2022年は月あたり200Km、2023年も同じ200kmですが筋トレと坂を増やし。そして2024年からFUJI対策で300kmに増やすと同時に累積標高を意識し月5000mは絶対登ると決めて近所の坂を登ったり降りたり登ったり降りたりしてスローめのおじいちゃんが1回登る時間で10回くらい上り下りしてました(嘘)。夏頃から足鍛えるためにルナサンダルを始め、ハセツネ前の2週間は雨の日なのにルナサンで水5リットル背負って公園20Km走ったりとか、もうご近所にバレたら引越し強制の激ヤバクレイジーランニングおじさんですよ。今自分で書いててよく捕まんねえな俺、って思いましたもん。でも結局走り方とか意識とか道具とか、そんなことよりやっぱこれが一番効いた気がします。

 

・スタート位置

 なんかよくわからんですが、直前の東京マラソンのタイムがそこそこ良かったのか、ITRAポイントが良かったのか知らんですがBブロックから始まりまして。いつも邪魔しちゃ悪いから後ろの方から走り始めて今熊山の渋滞で1時間ほど止まってたのが今回20分くらいだった気します。多分。序盤はシングルトラックも多いし、走り初めの位置はそこそこ重要なんだなぁと思いました。でもガンガン抜かしていくEとかFブロックの人もいたので、まあ実力の方が大きいと思いますけどね。

 

・気温と天候

 暑くて灼熱か?と思いきや日差しはさほどでもなく、結果80%はTシャツ1枚で程よく過ごせました。おかげで水もトータル3リットル持って行きましたが月夜見のエイドまで2.2リットルほどで700mlほど余る感じ。夜も冷え込まず最高じゃん!と思いきやこれが実は最悪の要素でもあったんですねぇ…(伏線)

 

・ライト

 今年も3年連続レッドレンザーNEO9R。めちゃバッテリーが重たいですが安定の明るさと長時間駆動。今回も腰と頭に2つつけましたが途中重くて腰だけでしたが何の問題もなし。替えのバッテリーとして頭の分も使えてコスパめちゃ良かったです。

 

・MEGA男梅

 例年、節水としてガムをかみながら走っていたのですが、塩分対策も兼ねてこいつにしました。なんせ1袋に8gも塩分が入ってるぜ!調べればわかるけど他のタブレットとか多くても1袋2gとかですよ。こいつだけぶっちぎり。おかげで水分とのバランスがいいのか汗がさほど出ず低ナトリウム症も防げたと思われます。そしてジェルで甘くなりがちな口の中をリフレッシュもできる。気がする。でもね、めちゃくちゃしょっぱいから口の中の皮がベロンベロンになるという欠点がありますが、そこは気合いです。

 

 

・スゴ飯

これも良かった。ジェルが受け付けなくなった時のためにカロリーメイトやエネ餅も持ってたのですが、後半乾いた口にあんまり合わず、今回はこれがとても役に立ちました。おいエナ直飲みに近い。走ってない時に食べても「ん…?なんかミスった?」って味(失礼)なのですが、走ってる時に食べると劇的に美味く感じます。何でだろう。

 

 

 

・ウェット紙タオルのでかいの

コンビニ入ったとこに夏によくある顔拭くウエットティッシュあるじゃないですか。たまにマラソン大会のあとでそれのでかい紙タオル版配られるんですが、汗まみれの顔だけじゃなく体もふけて最高なんですよね。すぐにシャワーとか浴びられないことも多いのでカバンにこれ一個入れとくと走り終わった後すぐにスッキリできてマジでいいっすよ。無印で一本300円とかで売ってた気がする。

 

 

🔳しくじったぜ!ハセツネ2024

・気温(低体温対策)

 あれ?さっき天気最高にいいって言ってなかった?と思われるかもしれませんが、それは日の出山(57km地点)までです。正直、ここら辺までTシャツいっちょで余裕、最高〜!と思っており、水も余ってるしこりゃ楽勝だなと思ってたのですが、なんかダルいな、と思い始めてたら一気に体が動かなくなってしまいました。レインウェアなりウインドシェルなりを羽織っておけば防げてたと思うのですが、晴れ=灼熱=脱水が怖い、という心境で羽織ることが怖かったんですよね。2年前も1年前も雨でレイン着っぱなしでちょうど良かったので、晴れでウェア羽織ったら汗まみれで脱水になる!とか思ってたら気づいた時には全く走れず、体が動かず食べ物も取れない。おかげで金比羅尾根からのラスト5kmは全歩きでした。低体温って流石に途中で気づくだろ?と思われるかも知れませんが、雨も降ってなくて体感的にも寒いと思ってなかったのでじわじわ冷えてることに全く気づかず。気づいた時にはアウトだったのです。てかゴールしてから低体温症って気づいた。マジで。アホかと思うかもですがマジで。

 

🔳補給

 いやこれMEGA男梅とスゴ飯以外ミスった〜〜〜!!自分、胃腸は相当丈夫な方でFUJIでも全然吐かないし、むしろ胃腸が気持ち悪くなるってこと一度もないのです。でもジェルで甘ったるくなって食べたくない、というのはあるのですが我慢して食べるということは可能でした。しかし今回、ストックで手が塞がっていたのと、好調だったことから月夜見以降正直「イケるっしょ」と思って余り食べておりませんでした。そして「ジェルは後半まずいから固形っしょ」と思ってカロリーメイトとエネ餅の比重をあげていたのです。そして全体的に量も少なかった。今思えば。低体温になって体が動かない時に、後カフェイン入りのジェルが後3−4個あれば復活したかもしれないのに。カロリーメイトとエネ餅しかないと、低体温症の時に噛み砕く元気がないというか、もう動かない指先で食べる気がしないんですよ。ポケットから固形物を取り出して袋を破り、口先に持って行くという一連の動作がしんどくて出来ませんでした。あれ、ジェルなら飲めた気がするんだよな〜。「なんかジェルとかダサいよね」というトレラン中級者なイキリかたをしなければ良かった〜〜〜!ガッツギアでもウィダーでももっともっとけばよかったぁ〜〜!!

 

 

まあ、言い出せばキリがないのですが、持ち物がクソ重くなるからこそ何を持っていくか、何持っていかないかの戦略性が問われるのが面白いところでもありますし、制限時間は24時間だから速さじゃなくて面白さを競う(上半身裸で裸足の人や、10キロ以上ある?焼肉セットを背負って走る人)とか、何より歴史があるからか上は86歳から70歳代の怪物ジジイたちがゴロゴロしているなど、毎回新鮮な驚きを与えてくれるハセツネ。FUJIの杓子山で3時間渋滞した時にお話しした方ともまた知り合えたり、職場を辞めた後輩とも会えたりと、レースでもレース以外でもとっても楽しませてもらえました。

 

おかげでか、毎回ゴールして1週間は「もう出たくねぇ」と筋肉痛に悶えながら思っていたのに、今回はゴール直後に「楽しかった〜、また出よう」と思いましたからね。あれ低体温で脳みそおかしくなってたのかなあ。でも今も出たいから正常か。違うか。

 

いや今もおかしいのか?