そのラリアットはマジでヤバい

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。

MT.FUJI100mileを完走したんだぜ!!!

ご無沙汰です。何を隠そう先日4月26−27日にかけて、あの日本最大のトレイルランニングレース、旧名UTMF(ULTRA TRAIL MOUNT FUJI)こと「MT FUJI100(MF)」に参加し44時間半かけて完走してまいりました!いやー、ここまでほんと長かった〜。今年で私も44歳になるのですが、正直こんなに心動かすイベントはもうないと思うので、下半身が筋肉痛と擦り傷と股ズレでぐちゃぐちゃなうちに、感じたことをガッツリ書いていこうと思います。

 

🔳MFってなんや

日本で2012年に開始され今年で10年目となる国内最大級のトレイルランニングレースです。天候等色んな条件で毎年ちょっとずつコースが変わるのですが、だいたい165Km、累積標高7000mくらいの100マイルレースというトレイルランニング界ではかなり長い距離のジャンルになります。昔は100マイルレースなんてこれしかなかったんだけど最近は色々出てきてるので一番すげえ!ってわけではないのですが、2000人以上が走る100マイルレースは国内最大級なのはまちがいなく、フルマラソンでいえば東京マラソン、プロレスでいえば1.4東京ドーム、競馬で言えば有馬記念、漫画で言えば板垣恵介餓狼伝みたいなものです。最後のは趣味です。獣臭…ッ!

 

そしてこんな長いゲロきつレースだから参加するのにも厳しい条件があり、ITRA(国際トレイルランニング協会)認定のレースに2年の間に3レース以内で10ポイント貯めないと参加資格すらありません。だいたい1レース3ポイント取れるのは70Kmくらいのレースなので、70〜100Kmくらいのトレランレースを少なくとも3回完走しなければならんのです!しかもその後抽選!かつ参加費48000円!しかも宿や準備のこと考えると合計10−12万は飛んでいく!ウヒョ〜!ドマゾにも程があるぜ〜!でもまあ、ドマゾじゃねえとトレランなんてやんねーわな!だから問題ないぜ〜!ヒャッハーッ!!!

 

🔳どうして出たいの?

子供が産まれそうな35歳くらいに、嫁さんが入院して暇だったし子育て大変だっていうから体力つけようと週1でランニング始めたんですよね。そしたらスピードや距離が上がるのが楽しくて2019年に東京マラソンが当たったんですが結果5時間半かかり猛烈な挫折感を感じ。コロナ禍で朝に時間ができたんで、今度は走って完走するぞ!と毎朝走ってたらフルマラソン4時間以内に走れちゃったんですよ。でも、サブ3と言われる領域までは無理だなと感じたので、気晴らしに山を走るトレランレースってのに出たら、これがまあ、単調なロードと違って起伏のある山々を走るのが本当に楽しくて。色んな動画やサイト見てたらNHKのグレートレースという番組でUTMFについて特集してたのを見まして。その中でめちゃくちゃキツい山道を長い距離ボロボロに耐え抜いて走るマイラー(100マイル完走した人たち)ってのがほんと美しかったんですよ。

 

体はボロボロなのに限界を超えた限界まで走り続ける姿が「折れない心そのものの美しさ」って感じがしたのです。また感動している自分自身にも結構おどろきました。考えてみれば、自分を振り返ると40歳も越えて映画も続けてみられないほど体力も好奇心も衰え、あらゆることに良くも悪くも慣れてしまい張り合いのない灰色の日々を送っているなあと。そんな中、マイラーに感動し、あこがれている自分がいること自体に希望を抱きました。なんだ、俺まだやりたいことあるんじゃん!久々にワクワクすることが見つかった!これ目指して頑張れば一段強い自分になれるし、楽しい日々が送れるのでは!?と思っちゃったんですよね。

 

そこからはこの2年くらい頑張りましたよ。このブログにも書いたけど、土台となる足腰作るために毎月2−300kは走ってたし。2022年ハセツネ出てから23年KAI、ハセツネ、ONTAKE 100、ITJでポイント貯めて無事抽選通った時はほんと安心しました。これでようやくUTMFでマイラーになれるぞ!って。なんか締めっぽいこと言っちゃうけど何かを目指している最中が一番楽しいんですよね。できちゃったらもうつまらなくなっちゃう。だから22年から今まで、疲れたけどほんと全部楽しかったわ。

 

 

🔳いざMF 100!!

そしたら今年からなんか名前がUTMFからMF100になり、スタート時間も昼からだったのになんか深夜12時スタートになってました。マジかよ。ONTAKE 100も深夜だしITJも早朝だったけど100マイルで深夜はガチキツくねーか…と思いましたが背に腹はかえられぬ。MF公式のツアーに申し込み前日の参加受付直後にホテルで寝てから深夜ギリギリに参加するというクレバーなプランを採用しました。でもね、やっぱり寝れないのよ。昼間の受付時にFESのごとく盛り上がっている会場を目にすると、2年かけて夢見たその舞台にたてる興奮で全然寝れないのですよ。後は不安もありました。165キロなんて当然試走できるわけもないですから、1ヶ月くらい前から怖くてしょうがなかったですけどね。

 

その不安と興奮で寝付けないながらもホテルでギリギリまで横たわり、夜9時ホテル発のバスに乗って会場に到着。ここでトイレとか軽食と食べて他選手たちと共に約2時間ほど待ちます。ITJやONTAKEの時も思ったけど、この直前の数時間って山のふもとで日がないからめっちゃ寒いんですよね。真夏でも薄手のダウンとか防寒のロングパンツあった方がいいですよ。直前までそれ着てて、ドロップバックとか最後のギリギリで脱ぐとかした方が良いす。あ、初めて有用なことを言った気がする。そんでトレラン界のアントニオ猪木である鏑木さんや、トレラン界のナベツネたる福田六花さんの仕切りが始まり、とうとうスタートですわ!ちなみにこの時もうアドレナリンでまくってて、多分チェーンソーで腹部切られてても気づかなかった自信あります。

 

■スタートー富士宮エイドまで(25Km)

しょっぱなは下り基調の林道25キロほどです。夜間とはいえスタートしたばかりなのでランナーの皆さんはすごい勢いで下っていきます。166キロ中の25キロだから大したことね~と思うかもですが普通に考えて25キロって相当疲れる距離。ですから私は力を抜いて気楽に走ることを意識していました。夜間走はハセツネ2回とITJとONTAKEでやり切ってるし楽勝!とおもってたらその瞬間に木につまずいてこけてひざに小石が埋まり大量に出血しまくりました。正直これで棄権か!?とめちゃくちゃ焦りましたが、アドレナリンが出まくってるので全く痛くなく、そのうち固まって気にならなくなりました。余裕。アドレナリン最強。

 

その後、鉄塔のあたりで1時間くらい渋滞。周囲のトレランおじたちとなんやかんや話すのが楽しくて全然気にしていなかったのですが、なんか聞くと富士宮に着く予定時刻が3時くらいを考えていたのですが4時間40分かかっており、関門まで20分といういきなりクライシス状態に!!このままじゃ足切りやんけ!!

 

■~麓エイドまで(27.2Km、合計52.5Km)

焦りまくりながら富士宮エイドに到着。次の麓までは天子山塊という1つ目のボスが待ち構えておりまして、昨年は水が足りずに苦しんだ人が続出したという事前情報を得ていた私は、通常の2本(1リットル分)とは別に、ふたが密閉できるフラスクをもう2本準備していたのです!!まだ早朝でそんな暑くないし2リットル水あるし余裕で越えれるのでは?と思ったらさすが天子。めちゃくちゃ上らされる。でもまあ、ハセツネの序盤や北高尾に比べれば…と思ってたらその後さらに3つくらいきつい山が続き、ここで私の足パワーは完全に一度売り切れました。ありがとう足。今までよく頑張ってくれた。あと水も2リットルもってたけど尽きた。いやここキツイわ…と思ってたら林道の下りで湧水を発見!周りのランナーもめっちゃ飲んでたから私も飲んだら一気に復活。ギリでエイドまで辿り着くことが出来ました。湧水ありがとう!!(伏線)

 

■~精進湖エイド(18.2Km、合計70.7Km)

麓エイドでは富士宮やきそばやバナナを食い、かなり体力が回復しました。当たり前だけどジェルじゃなくて普通の固形の食い物をおなかに入れるとメンタルもかなり復調するのですよ。食事大事…これがジェルだけだとぜんぜん気持ち上がらんのよね。不思議。そして麓エイドを出るとおだやかな草原が続きますが、足はまだ復活にはほどとおいので全歩きです。周りを見ると同じくほぼ歩き。周りの人とのんびり話しながら歩き続けます。

 

そしてここには「竜ヶ岳」というかっけえ名前の新コースがあり、登りはそれなりにしんどいのですが何がすごいって景色がすごい。ITJのように目の前に富士山ドーン!とくるのでその迫力だけで「うわ~すげ~キレイだな~」と思ってると結構気がまぎれて距離が稼げています。たしかここのエイドでは豚汁食ってめちゃくちゃ回復しました。やっぱ暖かいものは正義ですわ。

 

■~北麓公園エイド(26.7Km、合計97.4Km)

もうね、あんまり詳しく書いていませんけど、このあたりではもう足が終わり切り、小石や木の根で足にダメージが積もりまくり常に痛く、なんかワセリンぬりたくったのに股ずれも始まって、一歩ずつが苦痛で苦痛で心バキバキに折れてます。道路から山、山から道路、また山と延々と果てしなく続き、頑張れば走れないこともないのですが走る気力がわきません。今考えると富士山ドーンの絶景が続くのですが正直折れ切った心には全く響きません。

 

また後半のエイド迄あと5キロ!というときに出てくるアスファルトの坂がまたこれがやべーくらい長く、斜度はそうでもないのですが周りの風景も全く変わらず、さらにこのあたりでは2晩目に突入していることもありくっそ眠いのです。そしてもう走る元気がないから服を何枚着ても体が温まらず寒い!寒さと疲れで私も歩きながら寝ぼけていたのか、幼稚園の時の友達の浅井くんのことが頭から離れず、浅井くん…!浅井くんと一緒に道路に落ちてるペロてぃ食ったなぁ…!とか考えていました。でもそんな感じなのは俺だけではなく、よく見るとこの坂歩いている人、みんなフラフラしててゾンビみたいな感じでした。正直ここでマジで棄権しようと思いましたね。本当にしんどいオブジョイトイでした。

 

ようやくのようやくで辿り着いた北麓公園エイドはすばらしい充実具合で、ドロップバック(あらかじめ自分で準備しておく荷物)も受け取れるので、ここで靴を脱いだり着替えたり、買っておいたカップヌードルカレーと、おにぎりを食べて30分ほど休んだことで劇的に回復しました。うおおお~!俺はまだいけるんじゃい~~!!あとここで隣の人が同じくカップ麺食おうとしたのに箸が無かったらしく、未使用の割り箸が偶然余ってたのであげた俺えらい~~!えらすぎるぅ~!あの人もゴールで来てるといいなぁ~~!

 

■~忍野エイド(15.6Km、合計113Km)

かなり気力が回復し、100キロも越えたのでノリノリになってきたのですが、実は累積標高で考えるとキツいのはここかららしく。経験者はみな「100キロまではウォームアップ」などというので気を引き締めなければなりません。うそだろここからが本番かよ…

そしてこのエリア、田んぼや市街地を走る部分があるのですが、もう他のランナーもくたばりまくっており、そこらで死体のようにゴロゴロ転がっております。なんであそこでしゃがんでるんだろ…寝てる!あの駐車場になんかあるけど…寝てる!あのポストなんか変な形…寝てる!と随所でスパイスのように寝てる人が出てきます。もはやアートの領域。

 

そして、ここで伏線回収です。なにがって鋭い人はお気づきかもしれませんが、私のお腹がブレイキングバッドな状態になってしまったのです。今まで110キロのONTAKEでも、12月で寒いITJでもまったく便意なく走り抜けた私でしたが、このMF2晩目にしてとうとうお腹がグルグル急降下状態になってしまいました。これは…あの時の湧水だッ!!そう、天子を下っている最中水が切れそうで飲んだ湧水が恐らくあたった!そうに違いないッ!これぞ因果応報、伏線回収!うむ!と思っている間にもGERIBENがかなりクライシスになってきました。もうお腹をよじらせながら歩き続けるしかありません。周りは荒涼とした田畑…闇夜に紛れてうんこはできなくはないが、ふくものがない…最悪、余分にもってる服で…!?いやこれパタゴニアだけど…!いくしかねえ!と思ってお腹をさすっていると偶然数メートル先に公衆便所が!!!えっこれ幻覚?マジもん?なんたる偶然!!神は居た!!神はいたのです!!GOD…!

 

ここが一番MFでやばい状況だったかもしれません。そう、一番キツい敵というのは外にあるものではなく、内にあるもの、つまり便意だったのです…!(いいこと言った顔)そんなこと考えてたらエイドにつきました。たしかまた豚汁くった。うめかった~!便意の去った後の豚汁、最高じゃった~~!

 

■~山中湖きらら(9.5Km、合計122.5Km)

このあたりちょっと記憶が不確かなのですが、確か自動販売機があったと思うんですよね。それともこの前だったかな。このレースでは道中の買い物がOKなので、ここでコーラ飲むゾ~!と勢いいさんだのですが着くころにはコーラ、炭酸水、麦茶などのランナーが飲みたいものはすべて売り切れており、暖かいものやコーヒーしか残っていません…とおもったら一戸だけ「バナナミルク」がキンキンに冷えており、これを飲んだことでめちゃくちゃ体調が回復しました。気づかなかったけど脱水症状だったのでしょう。このあたりにくるともうジェルも食べてない(食べる気にならない)ので栄養も不足してたのかもしれない。俺はこの時のDydoのバナナミルク以上にうまい飲み物を知りません。あれはまさに神露…!うん。あとはぜんぜん道中おぼえてない。復活したってのは嘘で実は幻覚見てたのかもしれない。あっ、小倉山?で短いKAI69の選手がドガドガに走りぬいてきてぜんぜん山登れず、1時間くらい立往生しました。

 

■~二十曲峠(13.5Km,合計136Km)

ここよ。ここ。ここがマジで一番きつかった。ほんとシャレにならんくらキツいのぼりが続き、ようやくピークだ!と思ったら「ふふ…そいつは雑魚にすぎん!俺を倒してから勝ち名乗りを上げるんだな!」という次のピークが出てきて、そいつをヒイヒイの瀕死状態で倒しても「はっ…奴は四天王の中で最弱!」って次のが出てくるんですよ。マジでこのあたり、太ももが破裂したんじゃってくらい痛くて、木段上るたびに悲鳴を上げながら登ってた気がします。最後の最後が「石割山」っていう山なのですが、そいつ一番楽勝なの。てか下った途中にある山で、ほんとムカついて殺そうかと思いました。殺すってなにを?山に決まってんだろ!!石割山をよぉ!名前の通りぶち割って殺山してやんだよぉ!!なめやがってよぉ!!

 

■~富士吉田エイド(11.8Km,合計147.8Km)

二十曲エイドあたりになるとですね、もうエイドっていうより野戦病院みたいな感じで、息をしてるのかわからないようなランナーが動いてたり動いてなかったりな感じで、ギリギリ土壇場世紀末フィールがすごいことになっています。そしてこのエリアは2つ目のボス、杓子山というやべえ奴がおりまして、こいつがロッククライミングみたいに岩々したところをよじ登らないといけないんですね。ただそんな長くないのですが、よじ登らなきゃいけないくらい斜度がすごいので、登るのにかなり時間はかかるわけです。なので昨年もちこっと20分くらいは渋滞していたのですが、今回スタート時間が大幅に変わったのが原因なのか、なんとここで大渋滞が発生してしまったのです。

 

その間、およそ2時間。130Km走ってきたボロボロのランナーたちが、標高1400mの稜線上で、風がビュービュー吹いている中で2時間とどまらなければならないという。これ、死人が出ないのがおかしくない?落ちたら死ぬほど結構切り立ったところもあるよ?周りを見るとみんなエマージェンシーシートで体をくるんだり、レインジャケットを重ね着しています。私もレインパンツまで履いてあたりのランナーと愚痴を言いながら、怒りで熱をキープして何とか場をしのぎました。が、ここにきて関門迄相当せまっており、相当急がないとゴールまで辿り着けないのでは、という状況になってきたのです…焦って杓子山を全力ダッシュでおりるも、130Km以上こなしてきて足に力が入りません。ここまで何年も時間も金もかけてようやく参加できたってのに、こんなトラブルでゴールできないなんて…!あんまりだッ…!!!


最期のエイド、富士吉田に着くころにはもうゴールの制限時間まで5時間を切っており、かなりギリギリな状況でした。いそいでうどんを書き込みながら、終わった足を引きずっていく中で、ボランティアの人からこう言われました。「まだいける!!ロードを走ればまだいけるよ!」と。そうだ、ここまできて諦めたら今までの努力はなんだったんだ…できることを最後までやってやろう!

 

■~ゴール北麓公園(18.8Km、合計166.6Km)

最後のボス、霜山までは約3キロほどのロード。最後の力を振り絞って走り抜けました。その最中にメールにピロ~ンと着信音が鳴りました。見ると『ゴールの制限時間を1時間延長します』とのこと。うおおおおお!!!これは頑張ればいけるのではないか!?!?道路の節々で誘導するボランティアの方々もボロボロになった我々を熱をこめて盛り上げてくれます。いける!!いけるぞ!!

 

そう思うと俄然元気が出てきました。ダラダラといつまで続くかわからないくらい長い霜山をガンガンに登っている最中に日が落ち。とうとうラストの3晩目に突入してきました。眠気と疲れで木の葉や根等の凹凸がヘッドライトの光で陰になり、たくさんの人の顔に見えてきたり、小さな刺状の松の葉が文字に見えたりしてきました。こ、これが幻覚ってやつか…!!アメイジング!でも不思議と嫌じゃありません。むしろこの過酷な状況にいることが面白くなってきました。不思議と足取りは軽くなり、霜山の下りも軽快に降りることが出来ました。150キロ地点で走れる自分にマジ驚きです。俺やるじゃん!

 

そしてラスト5Km前、富士急ハイランドに降りたときの残り時間はあと2時間半ほど。今の遅さでも歩いて余裕で到着できます。昨年KAIで出場したときのゴールだった富士急ハイランドを横切ると、KAIのランナーが「100マイラーおめでとうございます!」と声をかけてくれます。ああ、昨年俺が言ってたことと同じだ、1年前に目指してたところにとうとう俺も来たんだ、と思うとめちゃくちゃ感慨深く、もう終わっちゃうことにどこかさみしさを感じながらゴールまでの林道を歩きました。

 

■ゴール!!!!!!!!!!

そしてまた北麓公園まで到着し、最後に走りながら沿道の人たちの応援を浴びながら、ゴール直前はハイタッチの列を経てとうとう感動のゴール!!と思いきや、ゴール前に行列が起きております。よくみると1人1人がゴールテープを切るために待ちが発生していました。マジかよ~!と思いながら、私の前に10人ほどしかいないのと、この10人は同じくすごい苦労をしてこの場にいるのだと思うと責める気なんか1ミリも起きません。5分ほど待ち、ようやく私もゴールテープを切ることが出来ました。

 

今までこんな数年かけて綿密に努力し、準備し、成し遂げた経験っていうのはあまりなかったので、ものすごい感激が来るのかと思いましたが、思ったのは「もう走らなくていいんだ!」と、「めっちゃ風呂はいりてえ」でした。寝るよりも先に風呂。風呂入りたい!!!!風呂!!

 

■その後

ここからは蛇足も蛇足なのですが、ホテルに戻って体を洗う際にすさまじいダメージを思い知ることになるわけです。擦り傷、切り傷はもちろん体の随所に汗疹、事前にワセリン塗っておいたのにすごい股ズレ。どんなに剃っても40時間のうちに生えたけつげが摩擦で擦れて、ケツの内側がやすりでこすられたようになっています。そしてアドレナリンが無くなるにつれて太ももとひざが激痛鈍痛に包まれていきます。この状態で体洗って風呂入るともう、すごいのよ。痛みがマジでもうすごいのよ。とくにケツ。100マイルレースはけつをやすりで削る行為と同義だと初めて知りました。そう。100マイラーはケツがヤバい。ケツがヤバいのが100マイラー

 

というわけで、44歳直前にして夢をかなえることが出来ました。折れない、諦めない不屈の精神を身につけ、誰よりも優しく、懐の深い人間になれたと自負しています。ちなみに走り終わってホテルに戻ってから自販機に千円が飲まれて従業員の人にブチ切れかけました。

 

 100マイラーになっても全然強くなってない自分にびっくりですが、でも1000円だからしょうがなくないですか?200円までなら許せるけど1000円よ?無理じゃね?

 

なあ!

 

おい!!

 

だよなあ!!!