そのラリアットはマジでヤバい

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。

神に祈る電子レンジ

今日は日本製の家電は凄いな!っていう話をします。

 

俺が東京で就職した2003年の秋、いきなり親元離れて転勤、人生初の一人暮らしをすることになりましてね。あんまり異動とかない会社なんですけど、まあ今思えばあれが原因かなって思い当たる節はあるんですよね。いやね、いくらなりゆきとはいえ事業部長にキャメルクラッチをかけたのはちょっとまずったかなって。人事はそれ(キャメルクラッチ)とこれ(異動)は無関係だからって言ってましたけど。右も左もわからない年頃って誰しもあるじゃないですか。若さって勢いじゃないすか。

 

そんな俺を気遣ってか同期のやつらがいろいろ構ってくれましてね。当時は純粋な激励20%、栄転する俺への嫉妬80%だと思っていましたけど、あの目は思い返せば150%憐れみでした。ちくしょうモリで突いてやればよかった。んで、そいつらが壮行会やら寄せ書きやらやってくれたわけですよ。そしたら家電をくれるやつもいて、個人用の電子レンジもらったんですよね。東芝の一人暮らし用。

 

ぜんぜん料理しないんで頻繁には使わんのですけど、たまに冷凍食品を解凍したりするのに使ってて、気づいたらはや5年立ち東京に戻ることになり、当然その電子レンジも持っていったんですけど、時間を表示する液晶が薄くなったくらいで全然問題なかったんですよ。でも更に4年くらいたったら、さすがにちょっと壊れてきて、レンジの扉を勢いよく閉めないと動作しなくなってきまして。

 

でもまだ全然使えるもんですから、普通にトーストとか焼いてたんですけど、そのうちレンジの扉を勢いよく2回締めないと動作しなくなってきました。さすがにこれは買い換えたほうが…?と思いましたが全然困んなくて、むしろ慣れちゃうと二回高速で閉めるのが隠しコマンドっぽくてカッコいい!とか思っていました。そんでまた3年くらいしたら、うんともすんとも動かなくなったんですよ。まあ…貰い物だけど12年も使ったからなー。

 

と思ったら、コンセント刺しなおした後、扉を高速で2回締めれば動作することがわかりまして。これがまた慣れるとグラディウスの上上下下右左右左ABみたいでめっちゃクール!と感激し、またも生活にコンセント抜き差し扉2回閉めが完全になじみました。そこからさらに2年。さすがに抜き差ししても動作しなくなることが増えてきて、とうとう2017年末の段階でレンジを動作させるには、『コンセントを抜き差しした5秒以内にレンジの扉を素早く2~3回締め、液晶がぼやっと映ったら軽く神に祈ると30%くらいの確立で動作する』という、操作の途中に神への祈祷が組み込まれるレベルになってきました。

 

2018年春には、軽くじゃなくて両手を合わせて『頼むッ!』と相当アツく祈らないと朝にトーストが食えないことも増えてきまして、さすがに動作に神の要素が絡みすぎるのはこのIOT,インターネットオブシングス時代にどうなんだろう、と思い。その電子レンジをくれた同期に聞くと、そいつは既にその後2回ほど電子レンジを買い換えており、しかもその電子レンジは神に祈らなくても動作するやつでした。この野郎!だましやがったな!と一瞬憎しみで心がいっぱいになりましたが、別にだましてないし、電子レンジに神を絡めていたのは俺でした。そう。どんな時も真の敵は自分自身。

 

なんでめでたくこの夏買い換えたんですよ。電子レンジ。なんかスチームとかいろいろついてて機能もすごく増えてよくなってるんでしょうけど、ボタン押すと100パー動作するんですよ。全然祈らなくていい。それって楽ですけど、なんか便利なだけど大事なものを見失ってないかなって、ふと、思うんですよね…

 

 

 

まあ。大事なもの見失ってるのは俺なんですけどね。

わかってる。さすがにレンジに神はいらない。

 

あと冒頭に言ったことは嘘でした。全然違った。