そのラリアットはマジでヤバい

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。

実家が無くなるということ

先日、実家を引き払いました。俺が生まれてから就職するまでの23年間、建て替えはしましたが場所は同じだったので、まあほぼ生家だったわけです。俺が就職してからは父がずっと住んでましたが、一人で住むには不便な間取りや立地だったり、まあいろいろあって父は近くのマンションに引っ越し。元の実家は人手に渡ることになりました。

 

頭では実家を失うということは当然わかっていたのですが、すさまじく手慣れた引っ越し屋さんのトラックが出た後に見慣れた門扉を振りかえって、その時初めて古びた家の後ろに積み重なるものを感じたのです。

 

それは実家という二文字で収まりきれるものではなくて、幼少期に友達と時を忘れてこねた泥団子が並ぶ庭であり、おもちゃを兄と奪い合って泣いた廊下であり、自意識の醜さで悩んだ自分の部屋であり、話しかけづらい父そのもののように本が積みあがる書斎であり、ものを捨てられない心配性な母のようなクローゼットであり、言葉にも文字にもできない様々な、多分この家がなくなったら記憶から引き出せないものもたくさんあるであろう、古く積み重なった家族と自分の思い出そのものであったのです。

 

 

老いた父は生活圏が変わるのを嫌がり近くのマンションに越しましたが、当然ですが生活スペースはかなり狭くなりました。暮らすのに最低限必要なものを残し、膨大な量の服や家具や雑多なものを捨てました。中には古い写真やアルバム、手紙などがあり、それは俺の知らないものも数多くあったそうです。マンションに一通りの家具を運び終わった時、麦茶を飲みながら父は言いました。

 

「そういや、お前が生まれたときは難産で、すぐに集中治療室に入ってな。医者がいうにはまともに育つかは半々だったそうだ。かあさんはたいそう心配してたが、そんな生まれたてのお前を心配して書いた日記をこの引っ越しで見つけたぞ」

 

昔に聞いたことはありましたが、まさかそんなものがあったとは。実家を無くすことは寂しいことですが、埋もれた思い出、それも母の思い出を知ることができたのはとてもうれしいことでした。

 

 

「捨てたけど。」

 

 

ふおおおおいい!!

 

捨てたんかい!!!!!

捨てるんかい!!それ!!!

捨てなくない!?普通!?!?!

 

てか捨てるなら俺に言うなよ!!!

逆に俺にいうならとっとけよ!!!

 

俺に言って、捨てるってのは無い!それだけはない!!

 

お前まじ俺と一部DNA同じだけどマジそういうの理解できねーわ!!!

なにが狙い?何なの?俺をビビらせるため??

 

なら成功。大成功。

 

めっちゃサクセス。