100円の水が買えない

どうも。水買えますか。いきなり何だよって思われるかもしれませんが、お前の都合などどうでも良いので、もう一度聞きます。水、買えますか。もっと正確に言えばめちゃくちゃ喉乾いている時でも、躊躇いなく自販機で100円ばかしの水を購入できますか？と聞いています。いや。聞くではない。問うています。お前の人生全てに問いかけています。できんのか！！おい！！！どうなんだおい！！貴様！水を！ためらいなく買えんのか！！！おう！？

俺今年で40歳になるんですけど今だに買えません。めちゃくちゃ喉乾いているって時でも買えない。そりゃね、公園の蛇口でも飲料用の水なら飲めますよ。綺麗な湧き水とかでも別に飲めます。ぶっちゃけプライドの低さ的には新大久保の裏路地にある水溜りでも飲める気がします。でもあれよ。100円の値段がついた時点で買えないし飲めんのよ。いやそりゃあ、100円を自動販売機に入れることはできますよ。なんなら210円入れてレッドブル買うなんて造作もありませんよ。でもね。自販機の有料の水を買おうとするとできないのです。より詳細にいうと、水を買おうとした瞬間、俺の横に出るんですよね。小学三年生の頃の俺が。

小三の俺

『その100円で、ガチャポン出来んじゃん』

ってね。つぶやくわけですよ。当時激ハマりしていたガンダムのガチャポン一回するのに100円。月の小遣いが500円だった俺には一度のガチャがまさに命がけで、ダブりでガルバルディBなんてしょーもないもんが出ようもんなら（熱狂的なガルバルディBファンの皆様、ごめんなさい）狂戦士となり北海を荒らしまわるところでしたが、その命を賭した金額と同額の100円を、水。たかだか水！！なんの栄養もない無味無臭の液体に費やしていいのかい？と問いかけてくるわけですよ。でもあれよ。俺も40歳。言ったって小学三年ばかりの俺に止められるほどの浅い人生を送ってきたわけじゃありません。だからもう一度100円を自販機に投げ込んで、水のボタンを押そうとするじゃないですか。すると俺の精神にもう1人の人影が。

高校生の俺

『その100円で、スト３できんじゃん』

お前もか。いや当時学校帰りに毎日ゲーセンに行ってめちゃめちゃやってたけれども。なんならいつも弁当だったけど学食にするから！と親に言って毎日500円もらってたけど使わずに全額スト3にぶっ込んでいたけども。当時の俺は数学で100点取るよりもブロッキングができることにハマっており、ウメハラばりに多段ブロッキング決めたりしていましたが物理でゼロ点取ったりもしていました。そんな青春の結晶とも言えるゲームができる100円という権利を、喉を潤すくらいしかできない水！！たかだかH2O！しかも2トンとかならわかるけど500ミリリットル！図書館でタダで飲めるのに！？ほんまに買うんかい？と高校生の俺は問いかけてくるわけです。でもね。俺も40歳。童貞未満のチンカス野郎に俺の水購買欲を止めることなどできません。横で騒ぐ高校生と小学生の俺を横目に見つつ、俺は水のボタンに手をかけようと

昨日の俺

『いやおい、どうせ買うならコーラだろ』

めちゃくちゃ最近のがきた。てかほぼ俺じゃん。いやさ、わかるよ。俺、普通のサラリーマンだし、子供もいるし。自由になる金額もたかが知れてるけど、水くらい買う金あるわ！って思うんだけど、ボタン押す前に思うんですよね。味がついていない液体を買うほど俺は裕福か？と。なんならややこしくなるから言わなかったけどお茶買う時もほぼ同じ思考してますからね。味がないのに120円するっておかしくない？ならコーラじゃない？味ついてるしシュワシュワしてるし。もしくはファンタだろそこは？むしろ100歩譲ってアクエリアスだろうがよ！とね。思うんですよね。いつも。でもさ、水買ったことないのよ。たかだか100円じゃん？一回くらい買って見たいって気持ちもあるのよ。だから今日は買うよ。水を。

 ・・・でも俺。

75歳になった時きっと思うんだろうな。

「あの時、やっぱコーラ買っとけばよかったのう・・・」って。

だからコーラ買った。