そのラリアットはマジでヤバい

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。

どうしてもベストが着られない

 

小学2年生の頃、木村先生というめっぽう怖い先生がいました。まだ昭和の時代でしたから、乱暴な先生という存在も今ほど問題にならなかったのかもしれません。隣のクラスの担任でしたが、しょっちゅう怒鳴り声が聞こえてきました。大体生徒にぶち切れている声で、あっちのクラスにならなくてよかったなーと胸をなでおろしていました。あれはいつの日だったか、

 

『おい!!お前ら、もう小2だろう!!』

 

と聞こえたときには、語彙力がまったくない当時の我々一同ビビり倒しつつも、『まだ小二、ならわかるが、もう小二とは…さすが木村、アグレッシブなティーチングスタイル!』とどこか畏敬の念をもっていました。よく誰も親にチクらなかったな。いやチクったら意外に親には『まだお前ら42だろう!』とか言うのかもですね。アグレッシブ木村。やつならきっとやってくれる。

 

 

ところで話はいきなり変わるのですが、洋服で袖がバッサリ切られているベストってあるじゃないですか。秋口とか初冬にかけては寒暖調整ができる優れものだと思うんですけど、あれ俺着たことないんですよね。いやカッコいいものも多いし、欲しいと思ったこともあるんですが、なんか心のブレーキがかかって買えないんですよ。

 

心のどこかで、ベストに対してネガティブな、なんかこう表現しづらい、煮え切らないハンパもんが着るイメージがあるんですよね。いや、容姿とかデザインの問題じゃないんですよ。コンセプトというか理念というか、ベスト自体の存在に対して。んで、なんでだろうなってこの間ふと気づいたら、この木村先生が言ってたんです。全校朝会で並んでいる野村くんに対して。

 

『おい!!お前!なんだこれは!!暑いのか寒いのかハッキリしろ!!』

 

今なら『ええええーーー!!!いやこれこういう服だから!!何言ってんだこのクレイジーティーチャー!』と思うのですが、そこは語彙力と思考力のない小二。俺はその時バックトゥザフューチャーのマーティみたいなダウンベストを着た、どっちかというと当時としてはおしゃれな野村くんを見て、心の底からこう思いました。

 

『…たしかに!』

 

いやだって寒いなら袖があるはずだし、熱いならそもそも着なきゃいいじゃん!木村先生あったまいい!!クレバー!ブラボー!なんでベストなんてあるんだろ?バカじゃね?袖なくね?と全力で思っていました。そして白状すると、今も思っています。なのでかっこよくても、いくらほしくても、ベストを買おうとすると心の中の木村先生が叫ぶんですよね。

 

『暑いのか寒いのかハッキリしろ!!』ってね。

 

 

もちろん7分袖も買えません。