そのラリアットはマジでヤバい

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。

二郎とマラソンと私

二郎ってあるじゃないですか。最近じゃもうラーメンの一大ジャンルとして完全に根付いた、暴力的なまでの油っこさと太い麺と、分厚い肉と山のようなモヤシの4重奏が織りなすあのラーメン。いやラーメンと言っていいのかすらよくわかりませんがあれですよ。カロリーの塊のあれ。私もそう頻繁ではないにしろ、半年に1度くらい無性に食いたくなるんですが、こないだ食べてて気づいたんですよね。ある衝撃の事実に。

 

「二郎って、なんかマラソンと似てるな」

 

いや。ここは極論となることを恐れずに、より正確に本質を捉えた表現にすべきですね。

 

「二郎はマラソンだし、マラソンは二郎」

 

何言ってんだこいつ…と思った貴方。ラーメンという食べものとマラソンというスポーツで全く違うじゃないか!と思われていることでしょう。浅はか。浅はかなり。そんな物事の薄っぺらい表面でしか物事を考えられないようではいけません。貴様きっと24時間テレビで泣いてるだろ。浅い。浅過ぎる。人の心の裏の裏の奥の裏まで読み通すカイジのEカードでちぎった耳の血でも煎じて飲むべきです。

 

なぜ二郎とマラソンがおなじなのか?この後私が示す論証を聞いた後には、きっとあなたも「同じだ…!むしろ違いが見出せない…!」と私に土下座し靴を舐め、5億円貢ぎ平伏して更にビットコインを2億分貢いだ後にからあげクンを2つ分けてくれることでしょう。間違いない。いやだってさ。落ち着いて考えて見てくださいよ。冷静になった方がいい。この3つの共通項をまず聞いてみてほしい。

 

 

■二郎とマラソンの共通点1:めちゃくちゃなカロリー

ラソンって42.195キロ走るじゃないですか。普通の成人男性が完走した場合、大体2800キロカロリーくらい使うらしいんですよ。で、知ってます?二郎の大豚Wのカロリーも同じ、2800キロカロリーなんですよ。食う時に多少カロリーは消費するとしても摂取するカロリーはフルマラソンで消費するカロリーと完全に一致しています。いや、わかるよ。お前の言いたいことはわかる。二郎は摂るカロリーでマラソンは使うカロリー、全然正反対じゃねえか!と。浅い。だからお前は浅いと言っておるのだよ。そんなんじゃ利根川にEカードで勝てないどころかエスポワール号に乗れないぞ。よく考えてみてください。光ないところに闇なし。悪のないところに正義はありません。陰と陽、それぞれが対としてなくてはならない存在だということはつまり、もはや同じ存在だと言っても過言ではないのです。わかった?わかったね?じゃあ次行くよ。ちゃんと着いてこいよ。

 

■二郎とマラソンの共通点2:すげえキツいのにチャレンジする人が絶えない

またそれだけではありません。二郎の三田本店に行ったことはあるでしょうか。いつ行っても行列が絶えることはありません。あの油ぎったすごい量、食べてる最中には後悔の念すらよぎり、食べ終わる頃には半年は見たくもない…と常人が思うラーメンですが、ハマる人が後を絶ちません。またマラソンも限界を超えた距離に足が痛み精神もボロボロになり、完走直後は2度とやらねぇ!と思うような過酷な競技にも関わらず、東京マラソンの抽選率は上がり続け、競技人口は増えるばかり。つまり両方とも常人の理解を超える苦痛を伴う競技にも関わらず、誰もがハマる悪魔的な魅力を備えているのです。ここまで来たら皆さんも「まさか…ひょっとして…?同じなのか…?」と思い始めてきたのではないでしょうか。そう。真理まで後一歩。目覚めはもうすぐです。

 

■二郎とマラソンの共通点3:一度心が折れると2度と立ち直れない

最後にもう1つ。これは私の実体験をもとにお話ししましょう。私は先日ようやくフルマラソン4時間切りを果たしましたが、それまでは何度練習しても途中で歩いてしまい、最後まで完走することができませんでした。正確にいうとかなり後半まで順調に走っていても、足の痛みや精神的な疲労で一度足が止まってしまうと、もうそこから同じペースで走ることは絶対にできません。だからどんなにゆっくりでも足を止めず、心を繋いで走り続けることがとても重要だったのです。

 

そして後日。フルマラソンで消耗しきった私は久々に体が暴力的なまでのカロリーを本能的に求めていることに気づき、二郎を食べにいきました。正確にいうと最近増えた二郎インスパイア系の店でした。普段なら小豚野菜マシを頼むところですが、フルマラソンで消費した活力を得るために、その日は大豚W野菜マシを頼んだのです。三田でも目黒でもない普通の住宅街のインスパイアだったこともあり特に混むこともなく、落ち着いてモヤシをかき分け、肉をかっ喰らい、ぶっとい麺を貪ってこれだよこれ!と味わい尽くしておりました。

 

後もう3口くらいかな、さすがインスパイアとはいえさすが大。この量と味の濃さはすげぇな、と思っていた頃。店員さんが衝撃の一言を告げました。

 

「すみませんお客様!間違えていました!」

 

えっ何が?と麺を啜りながら顔をあげる私。この状況で今更何を間違えているのかな?正直トッピングとか味わいが多少間違っていてもここまで美味しく味わってきているし、何よりもう完食寸前だし、と思っていると店員さんが更に一言。

 

「それ、『中』でした!申し訳ありません!」

 

あ、そうなんですか。インスパイア系は独自のサイズ規格らしく、同じ小とか大でも店舗によって量が全然違う、とかよくある話なので気づきませんでした。つまり私は大サイズを頼んだのに中サイズを食べていたわけですね。まあ、それはね。人間ですから。ミスをするのはしょうがない。むしろ私は満足しているわけですから。料金としては大の費用で中を食べたとしても問題なく、まあ差額を返金してくれれば御の字。返金すらなくても良いくらいですよ。

 

 

「ですのでこの『中』、お詫びにもう一杯どうぞ!」

 

 

おい!!おいおい!!おいおいおい!!!無理だって!いや無断でもう一杯ドン!って置くなって!!俺もうマジでかなり満腹なんだって!!!そこにお前、たとえ間違いだとしてもよ?更に俺の判断なくもう1杯追加ってお前、どっちかっていうとそっちの方が間違いであってミスだろ!!!よく考えろよ!!!返金とかさ、次回にサービスとかあるだろ!?!?!なぜ完食間際でもう腹パンパン、どっちかっていうと食い過ぎて後悔してるくらいの俺にジャッジを仰がずもう一杯中サイズ出すんだよ!!!頭、おかしいのか!?どういう教育受けてきたの?親に?先生に?老師に?ああん?その脳みそ油とカエシとニンニクマシマシでおかしくなってんのか!?おう?脳みそマシマシして考えろよ!!食える!わけ!なかろうが!!うん?もう一度言おうか?KUERU!!! WAKE!!! NAKAROUGA!!!!!!常識的に考えろ!!!

 

そして俺は、明らかに善意のホスピタリティで満ち満ちた笑顔をするその店員に多少の罪悪感を感じながら、こう言ってやりましたよ。

 

 

 

「あっ、はい。 あざす…」

 

 

 

 

これでわかったでしょう。この麻薬的な魅力に心掴まれる人は数知れませんが、一度心が折れると2度と立ち上がることはできない、マラソンと二郎という存在の同一性を。

 

 

 

 

 

めちゃくちゃ残した。

 

 

 

 

 

 

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