そのラリアットはマジでヤバい

おっさんIT系サラリーマンの自意識が高ぶったときに、ふとぶちかます雑記です。

初めて純粋に応援をした話

こんにちは。ご無沙汰しております。ところでみなさん、応援ってされたことありますか。スポーツの試合でも子供の運動会でも、なんでもいいんですけど、応援したりされたりするじゃないですか。かくいう俺もね、マラソンとか趣味なもんで大会とか出るんですけど応援されるのっていいもんですよね。人生の主人公になった感というかね。

 

でもふとね。思ったんですよね。応援されることはあるけど,俺って、ほんとの本気でガチのマジで純粋に応援したことってあるかな?と。小学校の運動会だってフレー!フレー!とか言ってたけど内心クソだるいと思ってましたし、W杯とかオリンピックとか見てても頑張れとか思わないし、むしろ俺が競技者側なら怠惰な傍観者から無責任に頑張れとか言われたくねーなとか推測して言わないし、大好きなプロレスを生で見た時は流石に熱くなりますが、でも応援というか選手たちの生き様を目に焼き付けるのに必死で応援という感じとは違うというかなんというか。おっ?今八百長とか言った?言ってない?ちなみに言ってたらインディアンデスロックかけた後引き起こしてスリーパー決めっからな。鈴木みのるが引くくらいのやつ極めっからな!!おい!!!

 

そう。純粋な気持ちでの応援というものを、私は今までしたことがないなと思ったのです。原因は明らか。この歪み切った性格です。マラソン大会でても周囲の応援が全て嘲笑と侮蔑に聞こえ、「最後まで笑顔で頑張れ〜」とか言われようもんなら「こちとら死ぬほど頑張ってんのになんで顔も名前もDNAの一行も知らん貴様なんぞに現状の努力を否定された挙句さらなる奮起を笑顔を伴った形で強制されなあかんのじゃいい!!!それもさほどの熱意なく!貴様ぁ〜〜!!!!ナパームストレッチかますぞ!!」と思ってしまうくらいのこの性格の歪み。もはやどうしようもない。幼少期にマザーテレサ5人に24時間ふっづけ7年ケアされるくらいでないと直し用がない。こりゃ今後も俺がピュアな善意での応援をするなぞ実の娘が崖から落ちる2秒前でもありえない、と深く絶望していたのです。

 

しかし!!し!か!し!この間、俺にも100%純粋にガチのマジで本当にリアルピュアな思いで応援する機会というものに恵まれたのです!!!ありがとうマザーテレサ5名!(幻覚)それがどういうシチュエーションだったかというと、まず駅のホームで電車を待っていたんですよね。そんで暇だな〜、無意味に股間でもいじろうかな〜と思いつつ、「否!!今は外出中でござった!危のうござる…」なんつってね。全部嘘なんですけど。イヤホン出して何か聞こうと思ったんですよね。そんでほら、最近のイヤホンって殻付き落花生みたいな形してるやないですか。コードレス?イヤホン?っていうの?あれ。あれをふとポケットから出そうとしたら手が滑って、ホームにオチやがったじゃねえですか!!!

 

うおおおおおおんおおおおおおおいいいいいいいいぅおうおおん?いやっちまったああああああいいいい!!!いや俺実際マジでこんなふざけたこと書いてるけどリアルにこういう他人様に迷惑かける系のは本当絶対やらないタイプっていうか、意外に真面目っていうか、なんなら駅で「イヤホン落とすの注意」とか張り紙みても「こんなアホほんまにいるの?いやいないっしょ?頭にうんこつまって毎日脳みそトイレに流してんのか?ウホウホゴリラレベルだな(笑)」とか思ってたんですよ。マジで。いやあああああ!!それ俺だったああああ!!!!!ウホウホ(笑)やべえ脳みそ漏れそう(笑)

 

でね。駅員さんにいうわけですよ。「イヤホン落としちゃったんですけど…」ってね。実際は「イヤホン落とした脳みそゼロキロカロリーのクソゴリラですけど、土下座して靴舐めた上に100万貢ぐので代わりにイヤホンをあの長いUFOキャッチャーの先みたいなやつで拾って頂けないでしょうか…いや、時間のある時で本当構わないんですが、マジで(笑)おなしゃすm(ー    ー)m」って思ってますけど、仕事できる社会人はね。端的に要件をね。伝えますからね。で、駅員様も忙しいのに即動いてくれるわけですよ。あのマジックハンド的なやつを使ってね。俺の耳糞まみれの電波すぐ途切れる鼻くそみたいなイヤホンをね、頑張って駅員様が拾おうとしてくれるわけですよ。申し訳ない。申し訳ねえなあ!ありがとうございます本当に!!!!!!もう感謝しかない!感謝のあまり内臓をあげたい!!

 

そしたらね。駅員様がマジックハンドみたいな棒を伸ばして拾おうとするわけですが、俺のイヤホンがあまりに小さいのか、マジックハンドのさきがぶっといのが悪いのか、全然噛み合わない。イメージ的にいうと、ゴリラがマジックハンドで3メートル先に落ちてるナッツを拾おうとしている、っていうとわかりやすいですかね。あっ、でも例えがプリミティブすぎてこれじゃあわかりづらいかな?じゃあ現代的な比喩に直して、ゴリラを駅員に、ナッツをイヤホンにするとより良いかもしれませんね。つまり駅員がマジックハンドでイヤホンを拾おうとしているんですけど、全然これが掴めないんですよ。あっでもこれだとわかりづ(無限)

 

ほんっっっっとさ!!!掴めないのよ!!!これが!!!マジでさ!!!もう少しで電車が来るってのに!!!周りで見ている人もいっぱいいるのに!!!駅員様が頑張ってくれているのに!!!もう一息!もう一息で掴めそーーーなのに、掴めない!UFOキャッチャーでポムポムプリンの首根っこをわしって掴んでるのに意地悪店長がバネをゆるゆるにしてる感じで、絶妙に掴めない!!!掴めそーなのに掴めない!!みててほんと、めちゃめちゃ頑張れってね、自然に感情が溢れましたよ!!いけえぇええええええ!!!もう少しダァああああ!!!頑張れ駅員様ぁあああああ!!!ってね。

 

もうめちゃくちゃ応援した。願いましたよ。駅員に。駅員とそのマジックハンドに。数分くらいだったかもしれませんが玉金が2ミリに縮むくらい死ぬほど願ったし祈ったし応援しました。もし俺がドバイの大富豪なら詰襟の学ラン45名と全国レベルのブラバン130名を引き連れて「不亜維斗」っていう5メートル×15メートルの大団旗を振り回すくらい応援した。魂が焦がれるほど団旗掲げましたよ。そしたら魂の慟哭が伝わったのか、数分後、駅員様が俺のクソイヤホンを救助されたのです!!!!あり…ありがとぉおおおおおお!!!!!

 

 

 

ああ、今までみんな、こんな純粋な思いで誰かを応援していたのか!知らんかった!申し訳ねかった!と一瞬感動しましたが、実際よく考えるとその応援する気持ちの原動力ですら『早よ拾ってくれないと電車くるし気まずいな』という思いからでした。

 

 

 

つまり俺の根っこは何も変わっていない。

幼少期の愛から補填しないとどうしようもない。